ルート225

ここに紹介されていて、少し前に読んだ本を読み直した。

お話は、ある日弟を迎えに出た14才の姉が、弟共々、元の世界とは違う、別の世界に紛れ込んでしまって、元の世界に帰れなく、というお話。パラレルワールドもので、かつリピートものといってしまえばそれで終わりなのだけど、じゃあラノベかというとそれはかなり違っている。じゃあ、ファンタジーだろ、と思われるかもしれないけど、それも違う。元の世界との差がそんなになくて、それが逆に読者の不安をかき立てる。思春期の不安を具体化したような不思議感あふれるホラーというのが一番近いような気もするけど、それもやっぱり違う。そんな微妙な(褒めてます)感じの物語だ。

最初に読んだとき、これは14才の少女にむけて書かれていた、一種の成長の物語だと思っていた。強気にふるまって、弟をあごでこき使うような主人公。その主人公が成長していく物語だろうと。

でも、今回読み返してみてこれは、子離れの本なのかもしれないとも思う。
どっちが正解か、あるいはどっちもピント外れかもしれない。

いずれにせよ、読みやすいけど、口当たりはよくない。どっちかというと、なんか微妙にいやな感じが残って、いつまでも物語から抜けられないような感じがする。
そこが、この本の魅力だと思う。

ルート225

ルート225

で、映画化もされているので、勢いでみてみました。
この映画、原作にかなり忠実で、それだけに、原作を読んだときの微妙な感じが映像化されていていい感じ。特に、 多部未華子はいいなぁ。

ルート225 [DVD]

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