住宅喪失

文泉堂で、3冊ほど購入した。そのうちの1冊がこれ。

「住宅喪失」というタイトルではあるけど、住宅問題の本ではない。実は、最初阪神淡路の話からはじまるので、よくある被害者に金をだせというたぐいの本かとおもっていたのだけど、そうではなかった。テーマは、国のあり方、住宅問題はそのための材料。
日本の国は、どんな国になろうとしているのか、そしてそのデザインは誰によって提出されたものなのかということを、島本慈子は説明するのである。

その彼女は、転換の始まりを中曽根内閣の民活路線だという。中曽根内閣は、1982年からし1987年。その中曽根内閣の政策の引き起こしたのがバブルだ。そして、その10年後、1997年から始まった橋本内閣の時代に、希望格差時代が始まったと山田昌弘は分析する。

島本慈子というと、「子会社は叫ぶ―この国でいま、起きていること」という超硬派の本を1冊だけ読んでいる。身も蓋もない。言っていることは、すごく正しい。すごく正しいだけに、救いがない。と、思ったりするわけ。



住宅喪失 (ちくま新書)

住宅喪失 (ちくま新書)

子会社は叫ぶ―この国でいま、起きていること

子会社は叫ぶ―この国でいま、起きていること