経済論戦の読み方

帰りの電車で、何を読もうかと考えて、現代新書の「経済論戦の読み方」を購入。この本、意外と基礎的な内容で、かつ最近の経済学のトレンドを解説しているので、結構お勧めだと思う。

経済論戦の読み方 (講談社現代新書)

経済論戦の読み方 (講談社現代新書)


実は興味はあったものの、書評なんかで、結構ハードだという印象があった。なので、疲れた日に読んでもどうせわからないだろうと思って避けていたのだけど、そうでもない。メモ用紙でも用意して、つらつらと2、3日かけて読むと楽しそう。


途中、リチャード・クー批判の文章の中で、ケインジアンマネタリストという経済学者の二分法は、十四、五年前に教科書レベルでさえ終了した議論であるとあるのでびっくり。ケイジアン的な処方(財政・金融政策)は短期的な局面で用いるべきで、長期の視点ではマネタリスト的な分析(貨幣数量説)が必要なのだそうだ。そ、そうだったのか。うーむ、やっぱり、まじめにステグリッツを読み返すべき? やっぱり、経済学も15年もたつと変わってきちゃうのね。


で、この本の分析にそっていうと、現在の日本経済の問題は、有効需要不足によるデフレがもっとも大きなものであり、そのリフレ的解決がもっとも重要という話になる。
構造改革小泉政権のいう構造改革というのはかなり定義がありまいなのだけど)をやるならそれは、デフレから脱却した後に漸進的にやれというのが筆者の主張。