サマー/タイム/トラベラー

なんか、最近ハヤカワが力入れてんじゃないの?という感じがなぜかして読んでみました。サマー/タイム/トラベラー。


最初の感想。これは、「ケロロ軍曹」である。



主人公が入り浸っている喫茶店の名前が「夏への扉」、登場人物たちは、そこの看板猫を、ク・メルだ、ピートだと呼んでいる。かかっているBGMは、シカゴ。それって、狙っている層は、30代後半から40代じゃないの?というフックの効かせ方が、ほぼ「ケロロ軍曹」なわけ。
一方、本の作り(物理的なね)は、ライト・ノベル路線。ということは、狙いは10代から20代?

ということで、これは、10代から40代までをカバーレンジとするというかなり野心作じゃないの?



読み終わっての感想、これは「セカイ系」でしょ。


ほしのこえとか、最終兵器彼女的な、女の子は外に、取り残される男の子展開。
彼女がなぜ時間旅行ができるのか、どうして旅立たなければいけなかったのかは、仮説とほのめかしはあるものの、結局のところはっきりはしないままに終わって、残るのは女の子がいなくなった寂寥感。

これって、まさにセカイ系でしょ?
2巻目の後半から謎解きにはいっていくあたりから、多少ご都合主義的な説明がめだってくる気がしますけど、1巻目のフックの氾濫はかなり楽しいです。盛りだくさんで正直、半分くらいは見落としていそう。


ところで、新城カズマって、年いくつなんでしょうか?
この高校の描写って、果たしていまの高校なの?という疑問が最後まで残りました。


サマー/タイム/トラベラー (1) (ハヤカワ文庫JA)

サマー/タイム/トラベラー (1) (ハヤカワ文庫JA)

サマー/タイム/トラベラー (2) (ハヤカワ文庫JA)

サマー/タイム/トラベラー (2) (ハヤカワ文庫JA)