時をかける少女

できがいいと評判のアニメ版「時をかける少女」を見に行く。

この映画のあたったところは、たぶん泣きの要素がうまくおりこまれているところ。自分の心がうまく伝えられない、気がついたときにはもう手遅れという、ふつうに恋愛展開を主題にすえたことで、誰がみても、それなりに感情移入できる。そういう点で、セカチュウなんかのセオリーを踏んでいるわけ。


で、その上でうまいと思わせるのは、オリジナルとはほぼ同じ物語構造のなかに、恋愛の話をうまく織り込んでいるところじゃないかと思う。芳山和子の姪という設定の主人公は、おなじように理科準備室の物音に気づき、そして、そこで時間移動能力を手にする。で、最後、未来からの旅行者は帰っていく。というところは、まったく同じ。違うのが、主題が時間移動に整合性というSFなテーマではなく、恋愛だってところだけだ。


というわけで、あざといと思えなくもないけど、うまいよね。この映画は。隣の席の女の子は、かなりうるうるやってたので、デートにいくにはお薦めかも。


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ところでで、この映画の中でなんどか出ててくる主人公・真琴の自宅というのは、どうみても、昭和30年代風なのだけど、あれは何でだろう?携帯は2006年なのに。とか思っていたのだけど、そうすると新海誠の「ほしのこえ」と近いところにあるのかも。あれの舞台は2047年だけど、周囲の風景はどうみても、2002年だ。
と、考えてみると、あの真琴の自宅というのは、1967年生まれで、富山育ちの細田守にとっては原風景に近いのかもとは思うものの、そんな単純な理由で作品を構成するとも思えず、しばし思案中。、