沈黙のフライバイ
500系の新幹線を最初にみたとき、「ついに現実化した未来だ!」とおもった。
なんて思う人にはいいと思う。
野尻抱介らしく、あまり心理描写がない。ポンとおかれた会話と地で説明される科学知識とがリンクして、読んでいる側の心理をかきたてていく。文章のなかから軌道エレベータや、探査機の姿が立ち上がってくる。まさに、琴線に触れる感じ。月や火星の写真をみて、わくわくできた人には、この短編集はとても心地好いし、ハートワーミングに思えるはずだ。
野尻抱介は、正直これまであまり読んでいなくて、大絶賛された「太陽の簒奪者」も微妙に乗れなかった。「ロケットガール」は、ライトノベル臭すぎる、と正直おもった。
でも、この短編集は最高!
- 作者: 野尻抱介
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2007/02/01
- メディア: 文庫
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