ヒトはなぜペットを食べないか

近所の八百屋の軒先に、ツバメが巣をつくっていたのだけど、先日カラスの襲撃をうけて、ヒナを全部もっていかれたらしい。今朝のぞいてみたら、もう何もいなかった。



食べることの意味とその正当性っていうのは、たぶん新井素子が一番こだわっているテーマではないかとおもう。SFな人からすれば、人間を食べていけない理由は・・・たぶん無い。人間が食べられてしまうことに抗議する正当性もおんなじくらいない。なわけで、この本もそのあたりの倫理の本だと思ってかってみたら、文化人類学系の本でした。

この本の主張を簡単にまとめると、

ペットを食べないのは、それが人間と動物の境界にいる存在だから。人間は、外部と内部の境界上の存在を聖と穢れの両義性をもった存在としてあつかっていて、かつて外部に存在していたペットは、今はその位置づけが境界上の存在になっている。


といったところか。
話はそこそこおもしろいと思う。ただ、前半延々、犬喰いや食人や、獣姦の事例の紹介がでてきてくどいように思った。この本を読もうとおもった人は、たいていそんなことは知っているんじゃないだろうか?ネットでは、猫を料理する画像とかでまわっているし。

ヒトはなぜペットを食べないか (文春新書)

ヒトはなぜペットを食べないか (文春新書)