「戦争学」概論

現代親書の新刊で、地政学的に戦史を解釈したもの。


これを読んで最初におもったのは、これって「幻魔対戦」?


世界島をめぐる、ランドパワーとシーパワーの抗争でもって、世界の歴史の大枠を語るというのは、アナロジーとしてはおもしろいけど、なぜ、そう考えられるかについては、なんの説明もない。なのに、それを延長したところで将来を予測するなんてことにどんな意味があるんだろうか?



アニメの来週以降の展開を予測するなら、ドラマとしての盛り上がりを考えれば、ある程度は当たる。そりゃ、シナリオライターには、「この話を当てやろう」という指向があるだろうと予測できるから。世界史がどっかのシナリオライターの筋書きで動いているというのならともかく、過去の歴史が「たまたま」説明できたからといって、将来に延長できると考える理由はなにもないとおもうのだけど。五島勉ノストラダムスの大予言細木数子の占い以上に信頼できると考える根拠はなさそう。


ただ、一つだけ可能性としてあるのは、世界の大国が、ことごとく細木数子に意見をきいて行動しているのだとすれば、それを分析する必要はあるかもしれない。どんなくだらない「材料」であってもそれを多くの人が「影響がある」と考えている「材料」なら、それによって株価は変動するというのと同じ構造だ。いわゆる、ケインズの「美人投票」の理論だ。

そう、考えるとブッシュ政権の行く末は、テレバンジュリストの話をきいて理解すると同じくらいには妥当なのかもしれない。




もう、2、3冊地政学の本を読んでみれば、この本がおかしいのか、地政学という学問がおかしいのかはわかるだろう。で、地政学って学問としての体をなしているの?



# とか書いてあとで検索してみたら、Wikipediaにそれくらいのことは全部かかれていました。つーことで、解釈は認識は間違ってなさそうなので、地政学の本は読まなくてもいいかな。「いや、あれは読むべきだ」という本があったらご推薦ください。



「戦争学」概論 (講談社現代新書)

「戦争学」概論 (講談社現代新書)