ソースタイン・ヴェブレン―制度主義の再評価

bookoffでちらほらみていたら、105円コーナーで発見。
お手軽かもと、購入。

制度学派の考え方は、経済分析を行う上でも、制度や文化的な背景を影響を排除できないということ。そういう点で、新古典派的な解釈とは異なる。

この本では、複数のヴェブレン研究者の論文を題材に、ヴェブレンの思想の背景を説明していくもの。最後の章は著者本人の解釈が述べられている。で、各論本の主張の違いは、

のどちらが大きいと考えるかというところにあるようだ。ヘーゲル弁証法も、ダーウィンの進化主義も、自然な状態で変化していくことを所与としている。違いは、資本主義の矛盾を解消していった結果として社会主義に進化することを既定と考えるのか、あるいは変化は所与としてどう変化していくかはわからないと考えるかだ。この2つの違いは、予言者と観察者の違いとも言い換えられる。で、ヴェブレンはどっちだったのか?
本人の著作を読む前になんだけど、なんか予言者の方に近い気がする。


ヴェブレンを調べようとおもったのは、ゾンバルトとの関係のなかで言及されていた記述を読んだから。ヴェブレンというと制度学派の元祖家元という程度の知識しかなかったのだけど、まとまった本を一冊読むと便利。だた、かかれている考え方がヴェブレン自身の考えなのか、その研究者の考えなのか、はたまた著者の考えなのかが判然としないところが散見されるのは欠点のように思える。


この本が直接のきっかけではないけど、経済学の流れには、アダム・スミス以前から2つの大きな流れがあることが感じられる。ケインズ主義と新古典派の前には、ゾンバルトヴェーバーがいた。アダム・スミスベンサムを対比させると同じような対立に思える。




ところで、多分、これはどっかの大学が教科書につかっていたんでしょう。本の中には、ラインマーカーや、シャープペンでページ数のメモ(ここが出るとか言われたのかな)などもある。で、それはそれでもいいんだけど、引かれたところが、なんか本筋からずれているように思えて。
マーカーを引いて勉強していた彼/彼女は単位とれたのかなぁ。