クリスタルサイレンス

最近、ハヤカワから文庫でもでたところで、ソノラマ版を購入。ハードカバー上下2段で500ページ、かなりの大作だけど、中身は読みやすい。




読後の印象は、林譲治の「ウロボロスの波動」を読んだときに近い。ウロボロスも指摘されていたけど、人物の表現が弱いのである。ただ、それよりもsence of wonder なアイデアがあればそれでいいというのが、SFのお約束だから、そういう方向からみれば、それなりに魅力的・・・だと思うのだけど、正直それも弱い気がする。
最初に感じたのは、バラードの結晶世界と神林長平の作品の中のAIという、どこかで読んだという既視感。1999年の「SFが読みたい!」第1位の作品なので、客観的にはいい作品なのだろうけど。



クリスタルサイレンス

クリスタルサイレンス




舞台は2071年の火星。北極環で体内が空洞化した生物が大量に発見される。それと同時並行的に、クリスタルフラワーとよばれる結晶体が、地球のドームコロニーの周囲に現れて・・とあんまり書くとネタばれなの。