ニュージーランド社会誌

ここのところ、ニュージーランド行政改革に関する問題点を指摘する文章をいくつかみつけたので、それとあわせ読みでこの本を購入。ニュージーランドは、市場化を積極的にすすめるウエストミンスター型NPM のモデルケースとしてよく取り上げられてきていたのだけど、ここ数年その問題点も指摘されてきている。


ということで、読んでみました。結論からいうと、当時(1995年)の日本ではニュージーランドがどういう対象としてみられているかがわかって興味深いけど、残念ながらそれ以上ではないという感じ。特に経済、政治状況のレポートが少ないのが、自分的にはちょっと不満。


この本は1994年に、日本ニュージーランド学会が創立されたことをきっかけに、いくつかの論文を多数あつめた形で構成されている。なので、総花的になるのは必然なのだけど、それでもいくつかのテーマについての文章がおおい。

ひとつは過去のニュージーランド研究の歴史的経緯をまとめたの、そしてもうひとつは19世紀末からののニュージーランドにおける福祉制度の発展だ。


ニュージーランド社会誌―理想郷の過去・現在・未来

ニュージーランド社会誌―理想郷の過去・現在・未来


ということで、以下は内容から拾ったダイジェスト

1.日本におけるニュージーランド研究の歴史

ニュージーランドは、当初「社会主義」を実現した国家として誤って紹介された。その誤解はやがて解消されたものの、一種の理想郷的な見方が戦後まで続く。日本における主なニュージーランド紹介者は以下

2.ニュージーランドにおける福祉の進展

ニュージーランドにおける福祉は、 19世紀末の国民党政権の労働大臣、ウイリアム・リーブス( William P Reeves )によって始まる。この時代前後に成立した主な法律は以下

3.ニュージーランドにおける福祉制度の特徴
1) 社会保障社会福祉の統合
2) 資産調査(ミーンズ・テスト)の原則
3) 国家主導である


4.ニュージーランドにおける福祉の後退

この後、財政悪化にともない、福祉の後退が始まる

そのほかの参考URL

NZの政治改革(産経新聞記事)
http://www.ne.jp/asahi/muchy1/dunedin/WindyDunedin/Life/political_reform1.html

小泉改革を先取りしたニュージーランドのいま(京都保険医新聞)
http://web.kyoto-inet.or.jp/org/khoken-i/syuchou/pages/2005/09/k0509050002.html

動く民営郵政(朝日新聞 4/16/2006 朝刊
(現在、web 掲載無し)