ブギーポップは笑わない

おまえ、今頃なに読んでるんだよ!とつっこまれそうな一作。
1997年の第四回ゲーム小説大賞受賞作なので、ほぼ10年前の作品。

学園に現れる、謎の存在とそれと戦う少女の話 とまとめてしまうとすごくありきたりになるのだけど、正直、そこの設定自体はありきたりだと思う。これを魅力的に見せているのは、一つの物語を、何人かの登場人物がそれぞれに語る中編とその間に挟まれる別のストーリーで語るという構造。読む進むにつれてこれらが絡み合いパズルが埋まるように全体が見えてくるというのが、この作品の仕掛けになっているのである。そこは、うまいと思う。
とはいいつつ、微妙に違和感を感じるのは、たぶん簡単に人が死んでしまって、かつ登場人物たちがそれに動揺してる風もないというところだろうな。ダーティーペアなんて億の単位で人を殺しまくっているわけだけど、身近な人が死ぬのはそれは違うでしょ。なのに、なんか緊迫感がないのはなぜ?
ご都合主義な展開とか、設定自体はそれ自体には違和感がないのだけど。


ライトノベルというのはどうも取っつきにくくて敬遠していたのだけど、この作品にもやはりその違和感を感じるのであった。



ブギーポップは笑わない (電撃文庫 (0231))

ブギーポップは笑わない (電撃文庫 (0231))