日経新聞 やさしい経済学-経済行動と感情-

今週になって、日経のやさしい経済学は、西條辰義教授の「経済行動と感情」というタイトルの連載。当然、内容はゲーム理論の話。

25日付の紙面では、「意地悪な行動」ということで、日本人は意地悪行動をとる人が多いという話し。「日本人はいじわるがお好き?!」というタイトルで経済セミナーにも記事のあった、西條先生の十八番である。

二人に24ドルづつもたせたうえで、(1)自分と相手の出し分に応じて両者の利得が625通り(ゼロ- 24ドルの25通りの二乗)に変化する。(2)そのなかで両者が8ドルづつ出せば互いに利得が極大になる(3) こちらのだし分が8ドルより少ない(多い)場合、自分の利得はその値より減るが、相手の利得のほうが自分より少ない(多い)ーというゲームをつくり実験した。

(中略)

ただ日本人を被験者とした場合、8ドルよりも少ないお金、たとえば7ドルしか出さない人がけっこういる。その理由は、先述の(3)にある。1ドル減らすことで自分の利得は減るが、相手の利得はもっと減るという構造を理解してわざわざ1ドル減らすのである。

ここから考えられるのは、日本人は相対的な評価の中で生きているということ。


考えてみれば、学校の評価は基本的に相対評価だし、終身雇用制度のなかでの会社を越えた移動がなければ、そこでの評価も、相対評価にしかなりえない。そういう環境のなかで生きている日本人だから、そういう行動をとると考えると自然にはおもうのだけど、じゃあ、戦前の日本はどうだったの?とか考えると、よくわかりません。