昭和三十年代主義―もう成長しない日本

2000年ごろより、世間に増え始めた昭和30年代を指向する現象は、なぜおこっているのか、という分析。浅羽通明のこの本は、単純な「元気のある時代」だからというところではなく、「ALWAYS三丁目の夕日」、「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国…

人生の軌道修正

「心にいい考え方」というのが、この本でのキーワード。それと対をなして否定的に扱われているのが、「ポジティブシンキング」 この本で言われている「心にいい考え方」というのは、 私の考える「心にいい考え方」というのを一言で言えば、「思考パターンは…

この金融政策が日本を救う

高橋洋一が3月に窃盗容疑という報道があって、謀略という話もでてきている。 実際に謀略だったのかどうだったのか、タイミングを計ってこの話がでてきたのか、ということはわからないのだけれど、この高橋洋一という人がどういう主張の人だったのか、につい…

eye-fi share

デジカメで撮影した写真をパソコンに写す場合は、たいていカードリーダをつかっているのだけど、何度もやっている内にどうも接点が怪しくなりそう。実際、もっていた携帯はカードが読めなくなったことがあったりしたものだから、「Wi-Fiでデータ転送できるSD…

いのちの戦場−アルジェルア1959−

新聞の映画評にあがっていて、見に行ってみる。 舞台は、1959年のアルジェリア。 主人公は、新たにアルジェリアに派遣されあフランス軍の中尉。赴任した隊で行われていた拷問や、虐殺に強く感情を動かされ、止めようとする。しかし、止められなかった銃撃で…

GW-MF54G2

無線LANが不安定なので、買い換え。今まで使っていた無線LANのアクセスポイントのかわりに、ということで、この機種を導入。大きさはタバコの箱より小さくて、値段はUSBの無線LANアダプター並という製品。だいじょうぶか?と思ったけれど、特に問題もなく稼…

大暴落1929

こんな時代になったので読んでみた。 ガルブレイスの描くバブルの終わりは以下のようなもの。 このように、終わりがきたことをなかなか認めようとしない点も、典型的な投機バブルパターンパターンである。実際にはフロリダはとっくに終わっていたのだ。マイ…

土星マンション

某書店で、「おすすめです」と、平積みされていたのでかってみました。地球環境の悪化によって、人類が軌道上のコロニーにすんでいる時代、コロニー下層にすみ、コロニーの窓掃除をしている少年の成長の物語。SF設定自体は色濃くでてこなくて、むしろコロ…

アキバ通り魔事件をどう読むか

アキバ通り魔事件から2ヶ月弱たった7月に発行されたムック。20人強の評論をあつめたもの。評論をおおきくわけると、あの事件から、派遣や格差の問題を語るものと、あの事件を元に社会問題を語ること自体に批判的なものに分かれている。 赤木智宏や雨宮処…

月刊 日本 2009年 01月号

佐藤優の本に紹介があったので、買ってみた。 右系・民族派の雑誌。目当ては、佐藤優と山浦嘉久の対談。 「五・一五事件 大川周明訊問調書」を読み解く しかし、テロという暴力による表現行為は、結果として最大の合法的暴力装置である国家を実態として担う…

予想どおりに不合理―行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」

少し前から話題になっている、行動経済学の本。 行動経済学については、去年「経済は「感情」で動いている (光文社新書)」とか、「経済は感情で動く―― はじめての行動経済学」とか出てきていて、軽い流行のような気がするのだけどなんでだろう? この本は、…

要するに

要するに (河出文庫)作者: 山形浩生出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2008/02/04メディア: 文庫購入: 9人 クリック: 145回この商品を含むブログ (57件) を見る

Self-Reference ENGINE

読了。さすが、「SFが読みたい2008」のベスト2。 ありえないおもしろさ。逆立ちしても、こんな話思いつけない。これは、才能でしょう。恐るべし。 Self‐Reference ENGINE (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)作者: 円城塔出版社/メーカー: 早川書房発売…

不況のメカニズム

さすがに、評判になった本でおもしろい。 この本では、ケインズの考えとされるものを一部否定することによって、新古典派の思想をケインズの大系の中に取り込んで説明している。否定されたケインズの考えは、所得に応じて消費が決まるとする消費関数であり、…

日経新聞 YEN漂流「沈む国と通貨の物語」

新年、日経の1面は「沈む国と通貨の物語」という結構刺激的なタイトル。YEN漂流と題した連載の第1回目で、円安のもたらした状況をレポートしている。それぞれは真実だとはおもうのだけど、そこから導き出す提言がどうなのかしらん?これで、「だから、円高を…

日経新聞 「エコノミストが選ぶ」経済図書ベスト10

年末と言うことで、日経では、経済図書のベスト10が発表。 ベスト10は、以下の本。 1.波乱の時代 アラン・グリーンスパン 日本経済新聞出版社 2.国富論 アダム・スミス 日本経済新聞出版社 3.市場を作る ジョン・マクミラン NTT出版 4.現代の貧困 岩田正美…

本の窓 2008/1 特集/日本の農業

小学館のPR雑誌、本の窓の今月号は、特集/日本の農業。 農業復活で生命力の強い国に / 小泉武夫 (取材・構成 片原泰志) 論調としては、食糧安全保障の観点からの自給率低下への警告と、それに対する具体的な取り組みの例示。イギリスの食糧自給率が、84%にな…

BUFFALO / LS-W1.0TGL/R1

1TBのNASが手頃になってきたので、今使っている160GBから買い換え。いま使っているNASは、3年ほど前に購入したもの。我が家の大事な情報は基本的に全部NASにあるので、壊れる前に買い換えるのが正解かとこのたび買い換え。今度は、500GB x2 のRAID1構成を組…

きらら 2007/12

「きらら」は、小学館からでてる小説主体のPR雑誌。嶽本野ばらが、オルタナティブ・パンセで森茉莉についてかたっている。ほぼ、王様の耳はロバの耳的発言。 それでも皆がこぞって凡庸なる部分には目を瞑り、偏狭ながらも研ぎ澄まされた完成の希有なる作家と…

UNIDEN RB30U

部屋の模様替えの際に、配線をやり直しをしていたら、どうやらブースターが壊れた模様。リビングのレコーダーだけで、4台もぶら下がっているので、ブースターは必須なのだけど、結構高かったりする。UHF専用のお手軽なものを、とさがしていたら、ちょっと毛…

滝山コミューン一九七四

週刊アスキーの「今週のデジゴト」に紹介されていた滝山コミューンを読んでみる。 これは、70年代前半に、東京西部の団地に学校でおこった出来事のドキュメント。著者は当時、小学生としてそこで過ごしていた当事者である。1970年代というのは、70年安保がお…

移動都市

星雲賞受賞、ということで読んでみる。第一印象は、これは、ジブリのアニメか?とおもわせる雰囲気。 舞台は、35世紀、60分戦争と呼ばれる世界大戦の後、世界のまちまちは巨大なキャタピラにのって移動する「移動都市」となっている。移動都市は、互いに…

となり町戦争

となり町戦争 (集英社文庫)作者: 三崎亜記出版社/メーカー: 集英社発売日: 2006/12/20メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 50回この商品を含むブログ (325件) を見る

NHKにようこそ

NHKにようこそ! (角川文庫)作者: 滝本竜彦,安倍吉俊出版社/メーカー: 角川書店発売日: 2005/05/22メディア: 文庫購入: 5人 クリック: 246回この商品を含むブログ (396件) を見る

勘定奉行荻原重秀の生涯

この本の言いたいことは、最初の最初に書いてある。 教科書や概説書では、荻原重秀の名前の後には必ず、「幕府は改鋳による差益で莫大な収入を得たが、物価騰貴を招き、経済を混乱させた」などと言った否定的な記述が続いている。教師の説明ではしばしば「グ…

日経新聞・社説 ・時間当たりの効率高め生活との調和を(8/20)

日経新聞の社説が、この2日間、長時間労働の問題に触れていて、2chあたりでも話題。日経といえば、財界御用達の筆頭なわけで、その新聞が労働環境の悪化について、(週末とはいえ)社説でまで問題提起するとは・・というのが驚かれた理由。19日の社説では、…

新聞社―破綻したビジネスモデル

サブタイトルにもあるように、報道の問題ではなく、経営の観点から新聞業界に関しての提言としてかかれた本。著者は毎日新聞の元取締役。新聞社―破綻したビジネスモデル (新潮新書)作者: 河内孝出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2007/03/01メディア: 新書購入…

なぜ社員はやる気をなくしているのか

朝日の書評にでていて気になっていたのだけど、経セミにもかるく紹介がでていたので買ってみる。この本の主張(タイトルのへの回答でもあるのだけど)は、社員がやる気をなくしているのは、従来アフターファイブのノミニケーションの構造の中で維持されてい…

途上国の農村研究とフィールドワーク

経済セミナー8月号の特集は「経済は現場で動いている!」というどっかで聞いたようなタイトル。 その中にある、「途上国の農村研究とフィールドワーク/藤田幸一」は、バングラディシュにおけるグラミン銀行に関するレポート(の、さわり)。グラミン銀行と…

虐殺器官

ハヤカワJシリーズの新刊。「小松左京賞最終候補作品」という帯につられて購入。 舞台は、9.11後の近未来。世界はテロ対策の為に極端な情報管理がなされて管理社会化している。主人公は、暗殺や誘拐を仕事とする米軍の特殊部隊員。彼らが、逮捕を命じられた…